上司と部下、社長と秘書。いろんな上下関係のなか、やる気のない部下にうんざり!と思う人は多いのでは?
やる気のない部下は、間違った方法で接しなければ、対処法があります。
一度は消沈した社長がどう切り返したのか、例をはさんで解説しますね。
部下の攻略法を実践しましょう!
やる気のない部下の特徴は?
やる気のない部下にはこんなタイプがあります。
- モチベーションが低いタイプ
- 現実逃避タイプ
- 不平不満を言うタイプ
- 消極的なタイプ
各タイプのやる気のない部下は、ただでさえ会社に利益をもたらさないのに、周囲にも悪い空気を伝染…。
そして、他の人のモチベーションを下げてしまうのが本当に良くないですね。
そんなうんざり…するような、やる気のない社員のそれぞれのタイプの特徴を見ていきましょう。
モチベーションが低いタイプ
とにかく仕事に対する情熱やモチベーションが低い。意欲が見られない。
この状態が続くと、仕事の質や生産性にはかなり悪影響。
現実逃避タイプ
困難や挑戦から逃げてばかり。
チームの向上に影響を与え、他のメンバーに負担をかけることが多々。
不平不満を言うタイプ
常に文句や愚痴を言い、ネガティブな態度をとる。
悪い態度が他のチームメンバーに心理的な悪影響を及ぼしてしまう。
消極的なタイプ
自ら進んで仕事をしない。常に受け身な態度。
こういう部下の影響により、チームの士気が下がっていく。
どのタイプも共通して、チームの雰囲気やパフォーマンスにイヤな影響を与えているのが、やるせない気持ちになりますよね。
上司としては、それぞれの原因を深く理解し、対策をねることが大切です。
やる気のない部下が生まれる原因とは
やる気のない部下が生まれるのは、
おもな原因として、その部下が職場での価値観の不一致を感じていることがあります。
たとえば、自分には会社の目標が合っていないと感じたり、評価制度に不公平だと思っていたり。
これは、会社が悪いどうこうではなく、それぞれの価値観にはばらつきがあるので、必然的に起こってしまうことです。
もちろんそのほかにも、職場や組織の環境も関係しているので、そんなに単純ではありません。
部下が、この職場での価値観の不一致を感じていると、周りとのコミュニケーションも減り、仕事での成長できなくなります。
結果的に、自分に特に価値も見出せず、やる気のなさが態度として出てしまいます。
コミュニケーションの不足や、個人的な悩み、ストレス、いくつもの要因が絡みあって深い原因となり、「やる気のなさ」という症状を起こさせるんですね。
ここで、やる気のない部下のタイプ別の原因もまとめてみました。
モチベーションが低いタイプ
- キャリア目標と仕事内容のミスマッチ
- 労働条件や報酬の不満
- 個人の私生活問題や健康問題
現実逃避タイプ
- 過去の失敗からの恐れで自信がない
- 適切なトレーニングやスキルがない
- 過度のプレッシャーが苦手
不平不満を言うタイプ
- コミュニケーションの不足や誤解
- 評価に不公平感を抱いている
- チーム内の人間関係の問題
消極的なタイプ
- 職場環境が支援的でないと感じている
- 明確な目標の不足
- 個人の能力が仕事と合っていない
上司として、部下のやる気がないと感じたとき、それを単なる「怠惰」や「無関心」としてとらえると、真の意味でのやる気ない原因がわからないです。
職場での価値観の不一致から生まれる複雑な原因が、やる気のない部下を生んでいるので、状況をいろんな角度で見て、慎重に判断しないといけませんね。
慎重な対応は大変でしょうが、やってはいけないことを避けることが、いちばんの得策です。
地雷をふまないように、NGな言動を見てみいきましょう!
上司のやる気のない部下に対するNG言動
やる気のない部下を早く改善させたい!という思いにかられて、急に叱ったり、とっさ的に対策を急いだりしてしまうと、逆効果です。
まずは、部下への避けるべきNG言動を知っておきましょう。
- 批判や非難の言葉を投げかける
- 感情的になる
- 比較をする
- 無視や孤立させる
部下の立場からすれば、これらの言動は、「上司に理解されていない」「評価されていない」と感じ、事態はいっそう深刻化します。
こういった言動により、部下が感じる価値観の不一致がまた大きくなってしまうからですね。
では、どんなふうに悪化するのか、それぞれ見ていきましょう。
- 批判や非難の言葉を投げかける
-
批判や非難は、部下の自尊心を傷つけてやる気をさらに低下させます。
また部下が自信を損なうので、委縮して防衛的になってしまい、仕事に対する積極性はどんどん失われます。その結果、リスクをとりたがらなくなるので、部下の成長は見られなくなります。
- 感情的になる
-
上司が感情的になると、部下は自分が安全ではないと感じ、敵意を生ませてしまいます。
感情的になればなるほど信頼関係の崩れ、将来的にコミュニケーションがよくなることはありません。また、感情的な態度は部下にもうつるので、職場の全体的な雰囲気を悪化させてしまします。
- 比較をする
-
《他の従業員と比較するということ=部下に自分は劣っているのだと思わせてしまう》
これは、モチベーションを大きく削ぎ、無気力にさせてしまいます。比較されることは、だれかと競って負けるときよりも敗北感が大きく、自信が失われるからです。
その結果、部下の不安やストレスは増し、比較されたことに対する敵意や嫉妬が生まれると、対人関係も悪化します。
- 無視や孤立させる
-
やる気のない態度をみると無視したり、放っておきたくなりますが、これは部下との心の距離が大きくなりすぎて、将来的に関係の修復が難しくなります。また、社会的な孤立やや疎外感は、メンタルヘルスにも悪影響を与え、不安症やうつ病のリスクを高めてしまいます。
やる気がないのは、一つや二つの原因があるわけではないので、
話をしっかり聞いて、どこに問題があるのかを一緒に考えてみる。 そういった姿勢が、やる気のない部下を変えていく安全な方法です。
上司として避けるべき言動を把握できたら、次はいよいよより具体的な方法でアプローチしてみましょう!
やる気のない部下をやる気にさせる対処法は?
部下にやる気になってもらうための方法として、実用的に対処できる過程を紹介します。
部下に上司として身近に感じてもらうことが近道なのでやってみてくださいね。
まずは個別面談でゆっくり話をきく
1対1で、彼らの考えや悩みを聞く時間を作ってみてください。
そのとき、非難や批判は意識的に避けて、理解と共感をメインにしましょう。
たとえば、はじめはコーヒーを一緒に飲みながらなど、リラックスできる環境にしてみると、じっくり話が聞けると思いますよ。
これは、彼らが何に悩んでいるのか、何が必要なのかを取りこぼさずに理解するためです。
ある取引先の社長さんから相談を受けた時の話です。
女性社員から面談で、泣きながら給料をあげてほしいと言われ動揺したといいます。
そのときは、なぜ急に泣かれたのか、なぜ急に給料のことを持ち出されたのかを理解できず、とっさにかける言葉も見つからない…という状況。
その女性社員は、普段から自分の権利ばかりを強調して、文句や不満が多かったそう。
またこのパターンか…と思い、悩んだ挙句、「少し休んできていいよ」とだけ、話したそうです。
その場はひとまずおさまったものの、後日、その女性社員は「社長は私の気持ちを何も理解してくれない」と泣きながら周りに話していたとのこと。
社長は、こんなに泣かれたのは初めてだったのでピックリしたそうです。
また、給料をあげてほしいと頼まれたのも社長からしてみれば根拠がわからず、やる気がないが伴ってないのに、一方的に給料だけ上げてほしいと頼まれているとしか考えられなかったようですね。
結局なにも解決せず、社長は頭をかなり悩ませていました。
問題を改善するための面談が、より悪化させてしまった例です。
まず、なぜ泣きながら訴えてきたのか。
女性社員が良し悪しはいったん置いておいて、「社員が泣いている」という事実にもう少し寄り添う姿勢を見せられたら悪化しなかったでしょう。
泣いている事実に寄り添えたら、給料をあげてほしいと唐突に言ってくる理由ももう少し深掘りできただろうし、その先に何か改善策を提案できる展開できたと思います。
その後、社長さんは仕切り直して、もう一度落ちついた環境で話したそうです。
お互いに誤解点にたくさん気づき、泣いた女性社員の今まで聞けなかった悩みを聞けたとのことですよ。
面談では、いかに悩みや不安を引き出してあげるかが大切なのですね。
個人面談をする際は、リラックスした環境でせかせかせず、お互いの思いを冷静に伝えあえるような雰囲気をめざして、実践してみてくださいね。
面談のフィードバックとして目標を共有する
じっくりと話が聞けたら、信頼関係を築きながら、部下が仕事で充実感を感じられるように、以下のステップを踏んでみましょう。
面談の内容から、部下が何を得意としているのか何を必要としているのかを見つけ、その才能を仕事で活かせる仕事を提案しましょう。人は得意なことをする時、自然とやる気がわいてきます。
提案したことに対する部下の反応や、部下からの意見もふまえて、どのような目標にしていくのかをお互いの認識を理解して、目標を共有しましょう。
部下が新しいスキルを身につけられる方法を一緒に探したり、キャリアの相談に乗ったりして、成長をサポートしていくことを伝えましょう。人はサポートされていると感じると、モチベーションがあがるものです。
部下がすこしでも目標を達成したり、何か良いことをしたりしたら、その成果を素直に認めて一緒に喜びましょう。 小さな一歩でも、認められることは大きな励みとなって、やる気につながります。
このようなステップを一緒に踏むことによって、信頼関係は自然とできます。
信頼感に比例して、部下のやる気やパフォーマンス力もあがるでしょう。
これは信頼の思いから、認めてもらいたいという思いが芽生えるからです。
お互いに理解して認め合うことが、部下の仕事でのやる気や充実感をつくりあげていくのですね。
どうしても対処できない場合は転職をすすめる
どんな対策をしても対処できない場合は、根本的に部下にとって仕事や環境が合っていないのでしょう。
その場合は、上司にとっても部下にとっても、しがみつく必要はないですよ。
人それぞれ力を発揮できる場所はちがうので、部下がもっとのびのびと成長ができる環境をすすめて、転職を促してあげるのも部下への配慮です。
それが将来的に部下のためになり、ネガティブな判断ではないので安心してくださいね。
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